分子標的薬による乾皮症
2022.12.02
皮膚の乾燥(乾皮症)
分子標的薬では正常皮膚の表皮もターゲットになります。皮脂腺の機能の抑制・毛穴の閉塞により皮脂や汗の分泌が減少・バリア機能が低下します。その結果乾燥を引き起こすことがあります。
皮膚は乾燥すると粉を吹いてちりめんのように委縮します。
治療開始後1か月くらいから始まることが多くみられます。
足の裏や手のひらでは角質が硬く肥厚し、指先では亀裂や痛みを生じます。
また、再生が投薬により抑制されているため亀裂の治りも遅くなってしまい重症化するにつれ範囲が広くなり赤みやかゆみを伴ってきます。
予防
皮膚バリアの保護と皮脂膜機能を外用薬により補います。軽症であれば保湿剤で軽快します。
セルフケア
入浴の注意点
石鹸で必要な皮脂が奪われてしまい 乾燥が増悪することがあります。中性・弱酸性のマイルドな石鹸やボディソープを使用しましょう。また、洗うときには強くこすらないようにしましょう。
高い湯温はかゆみを誘発するのでぬるめに設定しましょう
保湿力のある入浴剤やバスオイル、入浴後は保湿力のあるボディクリーム、必要時には外用薬を使用しましょう
アルコールを含む化粧水は避けましょう。
治療
保湿剤のほか ビタミンA/E やステロイドの外用薬を用います。部位により軟膏・ローション・クリームを使い分けます。
細菌感染や真菌感染が疑われる場合は感染に対する検査や治療が行われます。
症状にお困りの場合は皮膚科医にご相談ください
→当院皮膚科 第2・4火曜 黒沼亜美医師 毎週金曜 関智子医師